お前が頑張れ
われわれ塾講師は指導者として期待されているのです。ご両親から頼まれて大事な大事なお子さまを預かっているのです。
当塾の生徒各位にいよいよ謙虚に、ますます熱心に、教えなければならないと最近のわたしは気持ちを引き締め直しております。
然り、われわれ塾講師は子供の未来を預かる者なのです。子供の大事な未来に失礼な態度をとっている指導者には絶対になりたくはありません。
わたしは大分、齢を重ねてから塾経営に乗り出しました。これからの人生を塾講師として生きてゆきたい、そして塾講師として死んでゆきたい、と願っております。
そうであるならば、もう少し真摯(しんし)に真剣に授業に取り組まなければなりません。授業の現場は鉄火場のような真剣勝負の場所です。
さように書きつつも、わたしは楽をしようとしているのではないか。相手が子供だからといって侮っているのではあるまいか。
当塾のようなマンションの一室が教室の個人塾にも入ってくれている可愛い生徒たちがいるのです。わたしはもっと真剣にならねばなりません。まだ足りない。
生徒諸君の成績が上がらないのは一重にわたしがぬるい授業をしているからなのです。生徒にこれ以上、頑張れと言うな。まずお前が一層、頑張れ、水上よ。