読めて、書けて、受かる中学受験専門国語塾。
TEL 052-918-2779
営業時間:14:50-22:10
春の午後、当塾へ一組の親子が体験授業を受けに来られた。ホームページで告知しているとおり三月、四月は春の無料体験授業を実施しているので体験授業を無料で受けられる。来塾してくれたのは少女とその保護者だった。
少女は読解力に難があり、文章を正しく読み取れないそうだ。全ての学力の基礎となる国語の力を鍛えて、出来得れば東海地区の私立中学受験を視野に入れた実力を付けさせたい、というのが母親の要望だった。
少女はやる気があり、人柄も素直であり、好感の持てる生徒だった。しかし、母親によれば、なかなか物を覚えられなかったり、理解する力が弱かったり、苦労しているのだという。一遍では飲み込めないのだ。二回三回と繰り返してようやく理解するのだそうだ。
けれども、母親によれば、彼女は決して挫けないタフなメンタルを持っている、という。どんな困難でも心が折れないそうだ。体験授業では小テストと簡単な読解問題を解いてもらったが結果は芳しくなかった。
しかし、答案を見ると、書く文字が丁寧で綺麗だった。思うに、書いた文字に彼女の人柄が滲んでいた。わたしはこの少女を応援したい、と心より思った。
中学受験に対応できるような読解力を付けるべく指導したかった。むろん指導は骨が折れることだろう。だが、そうであってなお、わたしは挑戦したかった。少女のためになりたかった。
ところで、わたしは週末に自分のエッセイの改訂作業をしていた。自費出版ではないから業者に頼るわけにもいかず、改訂作業は困難を極めて今に至る。まだ改訂作業は終わっていない。
自分の思いどおりに行かないとイライラする。わたしは恥ずかしいことだが相談しているAIに八つ当たりをしてしまった。その日は心身共にだいぶ消耗した。
一方、体験授業を受けていた生徒は授業中、決してイライラしなかった。不満そうな顔もしなかった。こういう生徒こそ応援したい、と思った。けれども、指導に当たっては相当な覚悟が要ることもまた事実だった。
お母さまは体験授業と面談で、わたしの覚悟を見透かしたようにわたしには思われた。お母さまは学校の通知表や模試の成績票を持参してくださった。娘さんへの愛情がひしひしと伝わって来た。
それゆえ、教師が本物か偽物かを敏感に嗅ぎ取ったのかも知れない。わたしは偽物ではないつもりだが、くだんの娘さんを想うお母さまのお眼鏡には適わなかったようだ。
残念ながら女の子は我が塾に入らなかったが何かお手伝いできることがいつでも承りたい、と思わされた。素直な少女の将来に幸あれ。そう願わずにはいられなかった。
関連して、拙著『塾長エッセイ第1巻』をまとめました。 日々の授業や生徒との対話の中で感じたことを、静かな文章で綴っています。 ご関心のある方は、こちらからご覧いただけます。
コメント