八割の子どもたちが、ついていけない難関校向けの授業

GW講習前に行ってきた三重県いなべ市にある阿下喜温泉の施設の前で。

ご承知のとおり大手塾では集団授業が行われています。集団授業を語るときに「2:6:2の法則」というものがあります。読者諸賢はご存知でしょうか。

くだんの法則は集団授業では生徒層が「2:6:2」に分かれる、というものです。以下にくわしく記します。

上位20%の生徒諸君:集団授業をよく理解することができる優秀な子どもたち。

中間の60%の生徒諸君:集団授業を分ったり分からなかったりする普通の子どもたち。

下位20%の生徒諸君:集団授業が分からず授業に参加しているだけの子どもたち。

以上のように集団授業ではどうしても一定数のいわゆる落ちこぼれ(わたしはこの言葉は大嫌いですが)が出てしまいます。しかし大手塾では授業が理解できない生徒諸君をフォローすることはしません。

というのも大手塾では緻密なカリキュラムが組まれていて一部の生徒のために立ち止まることができないからです。授業が理解できない生徒に時間を割いていたらどうなるか、を考えましょう。

もし、できない生徒のために時間を割いたら、その週のカリキュラムは終わりません。そうすると週末に実施されるカリキュラムテストの範囲が終わっていないのに生徒はテストを受けることになります。

カリキュラムを終わらせられないと、さまざまな場面で差し支えます。カリキュラムテストは、ほんの一例です。したがって大手塾の講師は授業をどんどん進めて行くのです。

言い換えますと上位20%の生徒が塾全体の合格実績を上げていますので、どうしても塾の授業は上位層向けになるのです。残りの80%の生徒は大手塾の授業の構造上、十分にケアができないのです。

さらに記しますと丁寧にゆっくり授業を行うと「甘いことをやっていては困る。子どもが志望校に受からなくなるではないか」という具合に上位層の保護者からクレームが入ります。

さようなクレームが入るのは大変、まずいのです。なぜなら上位20%の生徒に退塾でもされようものなら塾の合格実績の不振に直結するからです。

大手塾もボランティアではなく企業ですから売り上げを伸ばす必要があります。将来の入塾希望者に合格実績をアピールできなければ塾の死活問題になります。

お子さまが大手塾の上位20%圏内に入っていれば問題はありません。しかし中間層や下位層に位置していたら一計を案じる必要があるかも知れません。

本記事を読んだことを契機に、お子さまの受験について改めて考えてみてはいかがでしょうか。目的(志望校合格)のためにはどのような手段(塾)を選べばいいのか、を。

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