勉強法各論(3)
⑤日頃から時間を計って問題を解く
勉強法の各論の三回目ですね。今回のテーマはひとつだけですが大事な勉強法なので心して読んでみてください。
人間は、いつか死ななければなりません。人生には制限時間があります。人間は必ず死にますが死を意識できている人はあまりいません。
わたしたちは健やかであっても七十、八十くらいまでしか生きられません。百歳まで生きて、いのち尽きたとしたら、それはもう大往生(だいおうじょう)といえるでしょう。
それと同じで入試問題にも制限時間があります。したがって必ず時間を意識するべきです。日頃から時間を計って制限時間内に問題を解く、という訓練をする必要があるのです。
しかしながら問題演習の際、時間制限というプレッシャーがあるのは嫌なものです。思うに誰もが嫌がるトレーニングです。なぜなら精神的な負荷がかかるからです。
そうとはいえ上達するためには負荷がかかる訓練をしなければなりません。楽な練習ばかりしていても一向に上達しません。
スポーツを考えてみると分かりやすいかも知れません。肉体的な負荷をかけずに筋肉が発達するでしょうか。
精神的な負荷をかけずに本番の試合で、いつもどおりの成果を上げることができるでしょうか。精神力も訓練しなければ発達しません。
なにも甲子園やオリンピックで優勝しろ、といっているわけではありません。志望校に合格するためのトレーニングです。まさか過酷すぎて血を吐くまでの努力は要求されていません。
誰もが嫌がるからこそキツイ訓練をする意味があるのです。人がしない嫌な訓練をするからこそ人よりも抜きん出られるのです。
勉強もスポーツと全然、違いません。たいていの人はキツイ訓練に音(ね)を上げてしまうのです。そしてキツイ訓練を避けてしまうのです。
したがって成績上位者は限られた人しかなれないのです。難関校に合格するのが難しいゆえんです。
話を戻します。皆さんが時間を計って問題を解く機会があるのは学校の試験と塾の模試くらいではないでしょうか。
学校や塾のテストにかぎらず日頃からタイマーや時計で時間を計って問題を解くならば自分でも驚くくらいの目覚ましい成果を上げることができるでしょう。
単純すぎて拍子抜けしましたか。けれども、ほとんどの人たちが嫌がり、怠っている練習法です。
単純な練習法ですが簡単な練習法ではありません。単純だから簡単ということにはなりませんが是非あなたの勉強に取り入れてみてください。