大事なことをプリントにして生徒に渡さない理由
わたしは仕事柄、教育に関する本を多く読んでまいりました。そして生徒諸君に教えるときの参考にしてまいりました。
教師たる者、常に勉強が必要です。勉強することが嫌になったら塾講師や家庭教師は辞めなければならない、と思っています。
今回の記事では、そういう今までの教育関係の本を読んできて面白いなと思ったことを、ご紹介してまいります。
今回は記事の題名にもありますように教育業界での「大事なことはプリントにして生徒に渡すな」ということについて記してまいります。これは昔から言われているようです。
このアドバイスを初めて読んだとき、なるほど、と思いました。わたしは間違いを述べてはいませんよ。「大事なことはプリント」にしては駄目なのです。
なぜでしょうか。例えば、わたしは生徒諸君には解答を渡してはおらず生徒と答え合わせをする際その場で答えを口で言うようにしています。
なぜならプリントにして渡すと生徒諸君は後から見ることができる、と安心して、答え合わせに集中できなくなる心配があるからです。
後で見ることができる、という安心感は授業の妨げになることがあるのです。したがって「大事なことはプリントにして生徒に渡す」のは駄目なのです。
その時その時の授業に真剣に取り組んでもらうために、あえてプリントは渡さず口頭で述べるのです。プリントにはしないのです。
その場その場の授業で記憶力を働かせてほしいのです。頭を使ってほしいのです。経験を重ねると大事なことをプリントにしないことの意味が納得できるようになります。
後で見よう、という考え方は曲者(くせもの)なのです。勉強は一瞬一瞬が真剣勝負です。プリントにするのは、さほどの手間ではありません。
しかしながらプリントは生徒のためにならない場合があるのです。さような思いで今日もわたしは生徒諸君に口頭で答えを述べるのです。
これは意地悪でそうしているのではありません。繰り返します。「大事なことはプリントにして生徒に渡す」のは駄目なのです。