模試や過去問の結果を怖いと感じる生徒の感性は真っ当だ
某日ある生徒が授業中に「怖いなあ」という声を漏らしていました。生徒のお宅にうかがって志望校の過去問を解いてもらっていた際の出来事です。
わたしは「怖いなあ」という生徒の声を聞いて感心しました。自分の現在の立場をよく弁(わきま)えている、と思ったからです。
受験を自分のこととして真摯(しんし)に捉えているからこそ「怖いなあ」という言葉が出てくるのです。さすがだと思います。
過去問とは過去の入試問題を再現した問題です。その問題で不十分な得点であれば、その年は容赦なく落とされています。ですから「怖いなあ」という声が漏れたのだと思います。
過去問の得点が悪ければ、その年の入試には不合格になると推察されます。過去問の現時点での得点の低さを自分のこととして捉え、入試当日を想像するならばヤバイと思うはずです。
それゆえ彼の認識は真っ当なのです。読者諸賢のお子さまは過去問や模試の結果を見て「怖いなあ」と言っていますか。早期にさような認識を持てれば見込みがあるといえます。
模試の結果が悪くても悪びれることもなく、のほほんとしていて、真剣さが欠けているならば、そのお子さまは勉強に対する姿勢を早急に変えなければなりません。
教師は、なまくらな教師は格別、生徒の一言でその生徒の考えていることを見抜くことができるのです。マンツーマン指導の場合は言わずもがなです。
わたしが申したいのは読者諸賢のお子さまが今、危機感を持って勉強しているかどうか、ということです。入試に落ちることまで想定して勉強に励んでいるかどうか、ということです。
わたしは一昨日の午前中に歯科医院で歯の検診を受けてきました。帰りに次回の検診の予約をしたのですが検診の次回の予定日は11月1日です。
もし11月の寒い時季に担当生徒の成績が、まだ低迷しているとしたら怖いことです。それゆえ、わたしを含めて塾の講師は暑い夏の内が勝負だ、天王山だということを強く言うのです。
読者諸賢のお子さまは受験に対してどのような認識を持っていますか。「怖いなあ」と考えて緊張感を持って勉強に取り組んでいますか。
入試では合格者も出ますが不合格者も出ます。お子さまが不合格者になることは怖いことです。そうならないためにも今夏、危機感を抱いてここを先途と死に物狂いで勉強すべきです。