読めて、書けて、受かる中学受験専門国語塾。
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我が塾には訪問指導コースというコースがあって一時期、某市まで足を延ばして生徒の勉強を見ていた。その生徒は関西の名門校たる灘中を目指して勉強に取り組んでいた。
東大寺学園中や西大和学園中には確実に受かる、という模試の評価だった。その生徒にとっては東海中は滑り止め、という位置づけだから上には上がいるものだ。
わたしは灘中を目指している生徒を指導するのは初めてだった。ご家庭の方針と我が塾の方針は合致していた。すなわち、過去問演習を中心に勉強を進めることだった。
その生徒は過去問演習をするときに一問一問にこだわることなく、できる問題から解いていた。言い換えると時間管理ができていた。わたしが指導していたのは秋口に差しかかっていた頃だった。
彼は教師であるわたしの解説もむろん聞いていたが、それを鵜呑みにすることなく赤本の解説を十分に読み込んでいた。わたしは一味違うな、と感じた。
特筆すべきは過去問を解くスピードだ。速かった。桁違いに速かった。間違いも少なかったので解説をしても授業時間は十分に足りた。つまり、時間が余った。
わたしは授業を延々と引っ張ることはせずに演習と解説を終えると授業を打ち切った。生活のためのお金も欲しかったが正直に言えば彼が合格する学校を塾の実績として打ち出したい、という下心があった。
しかし結論を記すと最後まで指導をすることはできなかった。それは、そのお宅の保護者の方に原因があった。平針から某市までバイクで行ったのだが保護者の方から労われることはなく、むしろ値切られた。5分単位で。
なお悪いことに保護者の方は優秀な息子を笠に着て大量のメールを送って来た。常識がなかったし、失礼だった。わたしはこれ以上続けると他の塾生の指導がいい加減になる、と思い、泣く泣く、指導を中断した。
入塾金は受け取った額そのままを保護者の方に返した。指導を中断すると決めた月からは授業料も受け取らなかった。今、あの生徒はどうしているだろうか。灘中に合格したのだろうか。
今、振り返ってみて思う。彼のご家庭は経済的に逼迫していたのではなかったか。お住まいはアパートだった。もし保護者の方が正直に打ち明けてくださっていれば、わたしの対応は違っていたはずだ。覚悟を決めて最後まで指導を続けたことだろう。
灘中を目指すとびきり優秀な生徒を最後まで指導できていれば良かった。ちなみに我が塾の訪問指導コースではかつて岐阜県まで行っていたことがある。
夕方に平針を発ち八事、金山を経由して名鉄で行っていたのだ。指導を終えて帰宅すると夜中になった。残念ながら訪問指導コースにはあまりいい思い出はない。
よろしければ、合格体験記も読んでみてください。
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