好著『記述のキソ』の原理・原則とは?
丸山あきら氏が著した『記述のキソ』は中学受験では知る人ぞ知る稀少な国語の問題集です。稀少な絶版本なのでメルカリなどで高値で取り引きされています。
同書は物語文の記述問題を解くときのキソを教えてくれます。同書が教えることは拍子抜けするほど単純な考え方ですが極めて大事な考え方です。
物語文の記述問題を解いていく際によく「××の気持ちを答えなさい」という設問があります。こういう記述問題を解いていくにはどうしたらいいのか。
以下は『記述のキソ』(教学研究社刊)の方法論をわたしなりに咀嚼(そしゃく)してアレンジした解き方になりますので、ご諒解ください。
まずは問われている人物の気持ちを一言で答えるとしたら、どうなるのかを考えます。色々な気持ちがあると思います。よく喜怒哀楽などと言いますね。
喜んでいるのか、怒っているのか、哀しんでいるのか、はたまた楽しんでいるのか、人物が抱く気持ちを短く答えてみるのです。この段階で上手く答えられれば、しめたものです。
ただし、人間の気持ちあるいは感情というものは喜怒哀楽という言葉の中に収まるほど単純ではありません。この最初のステップが案外、難しいのです。
最近、解いた過去問では「後ろめたい気持ち」という答えが正解でした。あるいは、ひとつの気持ちだけではなく「怒りと悲しみの気持ち」という正解もありました。
それはともかく原則として問題となっている人物の気持ちをまず考えるのです。そして気持ちがどうなのか、を決めたら、その後で理由づけをします。
「彼は××だったから悔しい気持ち」というふうに理由 → 気持ち、という順序で書きます。言い換えますと原因 → 結果という流れで自分の解答を作るのです。
以上のわたしの説明が理解できたら高額な『記述のキソ』を購入する必要はありません。何となれば以上が同書の説明の核心だからです。
ちなみに、まず問題に一言で答えてみる、というのは問題を解くうえで有効なテクニックだと思います。一言で答えておいて、それを膨らませて解答に仕上げるのです。
まず問題に簡潔に答える、というテクニックは物語文にかぎらず論説文でも使える汎用性の高いテクニックです。是非お子さまに教えてあげてください。