ある冬の日の名古屋UP国語塾での授業の一コマ(2)
塾長:国語の物語文で登場人物の心情が問われる問題がよく出されるだろう。
生徒:誰々の気持ちを記しなさい、という問題のこと?
塾長:そうそう。そのときに当然、登場人物の気持ちを書かなければならないが、まず「喜怒哀楽」を足場にして考えてほしい。
生徒:「喜怒哀楽」って人間のさまざまな感情を表す言葉だったはず。でも果たして「喜怒哀楽」だけで判断できるのかなあ。
塾長:たしかに人間の感情は「喜怒哀楽」という言葉に収まるほど単純ではない。だから「喜怒哀楽」は人の感情を考える最初の取っ掛かりとして理解してもらいたいんだ。
生徒:先生、最近、解いた問題の正解は「後ろめたい気持ち。」という言葉で締めくくられていたよ。
塾長:そういう答えは十分あり得る。だから人の気持ちを表す言葉は多く知っておくことが必要だね。例えば「妬む」なんて言葉を知っているかな?
塾長:もっと言うと入試で問われる問題ではひとつの気持ちだけではなくて「怒りと悲しみの気持ち。」という複数の気持ちで締めくくるのが正解だ、なんてケースもあるんだよ。
生徒:えー。何だか面倒くさいね。
塾長:東海地区の私立中学校の国語の入試問題では説明文と物語文の二本立てで出題されることが多い。そして物語文を苦手とする小学生は少なくない。
生徒:ぼくも物語文は嫌だよ。なんで登場人物の気持を分からなくてはいけないの?まだ説明文の方が取り組みやすいよ。
塾長:なるほどね。物語文の登場人物の心情を問う問題が出題されたら、むしろ、わたしは「デター!」と思って大喜びするけどね。
生徒:なんで?なんで?
塾長:人物の心情を問う問題の答えの型を知っているからだよ。全然、難しくないよ。それが「喜怒哀楽」を取っ掛かりにするやり方なんだ。(詳しく知りたい方は、こちら)
塾長:最後に念のため言っておくけど「喜怒哀楽」の「哀」は「愛」の意味ではないからね。誤解しないでね。「哀」は悲哀の「哀」だから「かなしい」という意味なんだよ。
塾長:「かなしい」という言葉は「悲しい」と表記するだけでなくて、ときに「哀しい」と表記することもあるのは知っておくといいよ。