直観と分析~国語の問題を解くときの考え方~

プロ棋士は手を考えているのではなく自分の直観が正しいか否かを分析しているのだ。

最近の授業で印象に残った生徒の言葉があります。それは有名私立学校を志望する塾生が問題を解いていた時の言葉です。すなわち生徒の「この問題は直観で解こう」との独り言でした。

すぐさま「直観と分析の両方を使えばいい」と助言しました。一般的にも言えることですが、われわれは物事を二者択一で考えがちです。オールオアナッシングという考え方ですね。

試験問題を解く時のアプローチは、あれかこれか、ではなく、あれもこれも、という考え方が大事なのです。つまり上記の場合は直観と分析の両方を使えばいいのです。

分析は言うに及ばず直観も物を知るひとつの立派な能力です。したがって両方ともに使って問題を解いていくべきです。両者を駆使して問題を解いている生徒諸君は合格に近い、と言えます。

具体例として将棋の話を記しましょう。プロの棋士は持ち時間を十分に使って考え考え盤面に駒を打っていますね。けれども、あれは手を考えているのではないのです。

そうではなくてプロ棋士は最初に打つ手を直観するのです。そして、その手が果たして正しいのか否かを十分な時間をかけて分析しているのです。

繰り返しますが問題を解くときは直観か分析か、ではないのです。直観も分析も、という姿勢で試験問題わけても国語の問題を解くといいと思います。

冒頭で助言した塾生には授業の時間的な制約もありましたので「直観と分析の両方を使え」という結論だけを伝えました。目下のところ生徒の胸に響いたか否か確信が持てていません。

したがって直観と分析の両方を使うべき理由も折を見て十分な説明をしよう、と思っています。というのも一度、十分に納得しないと年若い生徒は直観と分析をそもそも意識できない、と思うからです。

本記事を読んでおられる読者諸賢のお子さまに対しては以上に加えて、こう助言することができます。すなわち直観と分析の双方で互いの足りないところを補えばいい、と。

ただし注意しなければいけないのは直観から分析に向かう道はありますが分析から直観へ向かう道はない、ということです。後者は自然の摂理に逆行しています。

余談ですが、これが現代科学の陥っている間違いのひとつです。近いうちに、その綻(ほころ)びが露呈されるか暴露されることになるかも知れません。

その時代を生きている人間は時代のドグマの支配から決して自由ではないのです。これは人間の弱さです。したがって、われわれは弱さを自覚して、もう少し謙虚に生きるべきだと思います。

最後になりますが読者諸賢のお子さまが直観と分析を両方、上手に用いて自信を持って問題を、わけても国語の問題を、解けるように当塾はこれからも鋭意指導してまいります。

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