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「考える」とは旧仮名遣いで「かんがへる」と書きます。これは「かむかへる」と言い換えられます。先頭の「か」は意味のない言葉です。昔の和歌にあるような調子を整える意味のない言葉です。
「か」という言葉は意味がない言葉ですので「かんがへる」という言葉の実質は「むかへる」という言葉に収斂(しゅうれん)されます。「むかへる」が「かんがへる」の原義と言えます。
この「むかへる」の「む」は「身」のことです。われわれの身体のことですね。「身」を「かへる」ということです。「かへる」というのは「かふ」つまり「交ふ」という意味です。
言い換えますと「交はる」ということです。ですから「かんがへる」というのは「身」を以て「交はる」という意味になる、というのが国学者たる本居宣長の解釈です。
宣長は距離を置いて、こちらからあちらを観察しているだけでは「考へる」ということにはならないと言うのですね。以下、読み手に配慮して、どの単語も現代仮名遣いで記すことにします。
この「考える」という言葉の成り立ちから申しますと実際に自分の「身」を以て「交わる」ことをしなければ本当に考えた、ということにはならないのです。
親は子どもを観察して知るのではありません。そんな分かり方はしていないはずです。逆に子どもも親を観察して知るのではありません。毎日、親しく付き合っているから深く分かるのです。
してみると「身」を以て「交わる」ということは誰でも日々の生活で経験していることなのですね。「考える」ということは実に常識的なことになります。読者諸賢も考えてください。
読者諸賢のお子さまには、この夏に「身」を以て「交わる」ことをさせてほしいですね。机に向かってする勉強も大事ですが野外での愉しい経験も必要です。
しかし急いで申し添えますと、この「身」を以て「交わる」というのは短期的ではなくて長期的な方が絶対にいい。中学生や高校生といった多感な青春時代に酸いも甘いも経験することが大事です。
そのために、お子さまを公立私立の別を問わず中高一貫校に通わせる、というのは考え得る一番いい選択ではないでしょうか。高校受験がないので、お子さまは伸び伸び過ごせるはずです。
様々な経験を経て思慮深い人間になれれば、それが親が子どもに残してやれる最もいい精神的な財産になるのではないでしょうか。
それゆえに、この夏、受験生は机に向かって精一杯、勉強すべきです。そもそも中高一貫校に入れなければ初期の目的を達成することはできなくなるわけですから。
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