闇の力

人々は光よりも闇を愛した。その思いや行いが悪かったからである。

現代では最小の労力で最大の効果を発揮する、という考え方が人気を博しています。さような人々の効率を重視する考え方の典型が合理主義思想なのだと思います。

合理的な考え方の先に効率優先主義があるのです。したがって、この合理主義をベースにした思想には温かみが全然ありません。

たしかに効率を求めることは一概に悪いとはいえない場合もあることでしょう。最小の労力で最大の効果を発揮できれば、それに越したことはありません。

けれども、それも行き過ぎると、我々の身に災厄(さいやく)を招くことになりかねません。東日本大震災の際の福島原発事故はまだ記憶に新しいですが、あれなどはまさに企業利益を極限まで推し進めた挙句の人災です。

ですから人災を招かぬためにも、いわゆる企業や企業で働いている人々の意識改革が必要である、とする世の識者の主張はそのとおりだと思います。

しかしながら、意識を改革するのは難しい。ほとんど発心(ほっしん)に近いくらいの改め方でないとダメなのではありますまいか。

残念ながら、いわゆる人災はこれからも続くでしょう。なぜなら、太古の昔から現代に至るまで人間は自己中心の生き方を止めないからです。人間のつくった組織である会社も然(しか)り。

もちろん、わたしは、それを是認(ぜにん)しているのではありません。事実を述べているに過ぎません。

合理主義思想は今後ますます勢いづいていくことでしょう。合理主義思想に対抗していくためには思想ではなく信仰でなくてはいけない、とわたしは考えます。

合理主義思想に対抗できるのは真正の真摯(しんし)な信仰でなければなりません。効率を最優先して人の命よりも自分たちの利益しか考えない闇の力に勝つべく立ち上がるのは誰か。

それは、われわれに他なりません。そして次世代を担う子供たちもそうです。われわれと子供たちの双肩に日本のこれからがかかっているのです。当塾は闇の力に対抗する前線基地なのであります。

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