なぜ(2)
ウクライナの少年よ、少女よ、君たちはじっと耐えるしかありません。残念ですが今のわたしには、そう述べることしかできないです。
ウクライナ国内に留まって君たちの父や兄は平和のために命懸けで闘っています。もしかしたら母も銃後で休む間もなく懸命に働いているかも知れません。
少年、少女よ、国外へ避難して生きながらえて、いつの日か祖国の復興に力を尽くしてほしいのです。おそらくは少なくない時間を要するでしょう。しかしながら必ずその日は来ます。
ウクライナ国内では建物が滅茶苦茶に破壊され、道路はズタズタにされ、自動車は真っ黒に焦げ、周囲は瓦礫(がれき)の山になっています。
戦場はウクライナの市民、ウクライナ兵、ロシア兵の亡骸(なきがら)が重なり死屍累々(ししるいるい)のはずです。
けれども必ずや、もともとの緑豊かな美しい街を取り戻す日が来ます。人々が国内外から戻って来る日が来ます。
ウクライナの復興は国内外の子供たちの双肩にかかっています。それが一縷(いちる)の望みです。
ロシアによるウクライナ侵攻は突然の出来事でした。ウクライナの人々はもちろん、世界の人たちも少なからずショックを受けました。
戦争は最大の不条理といわれます。人々は、なぜ文明が発達していて教育も普及しているはずの今世紀に戦争が起きるのか訝(いぶか)しく思っています。 つづく