過去問実戦主義(中学受験)

随分、昔の本ですが効率のよい勉強の方法論が分かりやく開陳されています。

過去問は大事だと誰も言います。わたしも誰も言う以上のことは言えません。けれども、日本で最難関の資格試験である司法試験の予備校講師の言葉なら説得力があるのではないでしょうか。

司法試験は恐ろしい試験です。一流大学出身の受験生が37歳から受験を始めて還暦手前の59歳でようやく受かって、それが本になっているくらいですから。

神山昌子氏の『苦節23年、夢の弁護士になりました』(いっそぷ社刊)という本がそれです。興味のある方はご一読をどうぞ。

閑話休題。本記事で、ご紹介したい本は福田大介氏の『司法試験驚異の1000時間合格法』(早稲田経営出版)です。

福田氏は東大卒の司法試験合格者で上記の本が出版された当時、司法試験予備校の講師をしていました。

同書で福田氏は「過去問実戦主義」と小見出しを立てて以下のように述べています。改行は引用者が施しました。

過去問を有効に利用する。例えばゴルフや野球を考えてみればよい。いくら理論書を読んでスイングやピッチングの理論を取り入れたところで、実戦の経験なしでは何の力にもならない。

実戦の中でこそ、スイングやピッチングといった基本能力が養成され、真に血となり肉となるのである。

千葉ロッテの元監督で弱小球団ロッテを一時期(本当に一時期だったが)Aクラスのチームに仕上げたアメリカのボビー・バレンタイン監督の練習方法は常に実戦重視である。

キャンプ当初から紅白戦などの実戦を通じて逆に基本的実力をアップさせていくのである。疑問がなければ身に付かない―これは全てに通ずる道理である。

出典:福田大介著『司法試験驚異の1000時間合格法』(早稲田経営出版)

上記の引用文を読んで、いかがでしたでしょうか。過去問の重要性がよく理解できる文章ではなかったでしょうか。

当塾では早期に過去問を解いていく、という方針をとっていますが理由なく闇雲に過去問演習をさせている訳ではありません。十分な理由があってのことです。

過去問はその学校の顔ですから問題としても練りに練られた良質の問題です。その良質の問題を解いていく過程で実力も身につきます。志望する学校の入試傾向も分かるのはむろんのことです。

読者諸賢よ、入試過去問という紅白戦をとおして、お子さまの実力をアップさせていこうではありませんか。そして来春の今頃はお子さまをAクラスの志望校に通わせようではありませんか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

次の記事

死ぬ準備