テレビを捨てよ(2)

読者諸賢よ、思い切ってテレビと訣別し、書物の海にダイヴしようではありませんか。

この不条理に満ちた世界の意味を知りたくない、と言うならそれまでです。むろん無駄の効用というのはあります。テレビを視ることにより仕事で酷使した頭脳をクールダウンできます。

いわゆる気分転換として役に立つことは否定しません。しかし、それでも無駄の効用以上ではないのです。換言すればテレビは安価で手軽にできるリラックス法の中のひとつに過ぎません。

それ以上の意義は今のわたしには理解できません。いや、気分転換になる、ということさえピンときません。テレビのドラマやバラエティーは視ていて愉しめないです。

わたしはテレビ番組を視ていると何だか落ち着きません。むしろ、その間にもっと有意義な時間の過ごし方を考えてしまいます。

われわれは生きていかなくてはなりません。改めて述べるまでもない当然の理(ことわり)です。そして、そのためには情報が必要なことはわたしとしても認めます。

けれども、ニュースソースはテレビでなくても構わないのではないでしょうか。

少なくとも、まとまった時間をテレビのニュースを視るために使うのは、とても勿体ない時間の使い方と言わざるを得ません。

即刻止めるべきです。ドラマ、バラエティーなど論外です。テレビを観ない分、時間が余ります。その余った時間で何もやることがないから人は際限なくテレビを視続けるのでしょうか。

読むべき本がたくさんあるではないですか。古典を読めば今の問題に何らかの指針が与えられることだってあるのです。

いや、これは随分、遠慮した言い方です。極めて今日的な問題でも遠い昔に既に解決策が出され、それが巻物に記されている場合だってあるのです。

古典が時を経ても色褪(あ)せず、なお、われわれの心の琴線に触れることができるゆえんであります。情報ばかり吐き出すテレビと訣別し、書物の海にダイヴしようではありませんか。

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