三浦綾子さんを偲ぶ

画像は在りし日の三浦さんご夫妻の執筆風景です。口述筆記で作品を作られていた由。

三浦綾子さんの著した『細川ガラシャ夫人』(新潮文庫)は上、下巻ある歴史小説です。題名になっている細川ガラシャはもちろん実在した人物です。

彼女はあの明智光秀の娘であり細川忠興の妻です。戦国時代の美しくて、その聡明さが際立っていた女性として有名です。

これから読む人もあるだろうと思いますので話の内容は詳(つまび)らかにはしませんがキリスト者のわたしにとっては面白い小説でした。

ガラシャとは洗礼名です。彼女は立派なキリスト者であったのです。同書は上、下巻併せると600頁を超える長編小説であります。

初めのうちは、なかなか頁が進みませんでした。何処へ行くにも携帯したのですが遅々として物語は進みません。

なぜかは分かりませんが読めないのです。かつて読んだ三浦綾子さんの作品の時のようには読めません。

『愛の鬼才』『塩狩峠』『道ありき』の時はこういうことは起こらなかったので不思議でした。しかし、ある日、風呂で同書を読むと一瀉千里(いっしゃせんり)でした。

一挙に200頁は読みました。その間、浴槽に本を持ち込み二時間以上、浸かっていたことになります。

余人はわたしを変人呼ばわりするかも知れません。けれども、それで読書が捗(はかど)るなら長時間、ぬるま湯に身体を沈めても悪くはありません。

わたしはキリスト者であるにもかかわらず長い間、三浦綾子さんの著書を読んで来ませんでした。そのことが今まで胸に少し引っかかっていました。

しかしながら、これで彼女の本を五冊読み、三浦綾子さんを読んだことがある、と辛うじていうことができます。

最後に述べますが三浦綾子さんはキリスト者です(「クリスチャン」という呼称の方が人口に膾炙していますが、わたしは「キリスト者」という言葉をあえて使っています)。

彼女はキリスト者として1999年10月12日天国に凱旋(がいせん)されています。故郷である北海道旭川市には三浦綾子記念文学館があります。

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