東海中学校の百字作文をどう書くべきか

当塾でも来春、東海中学校に入るべく生徒諸君が一生懸命に国語の勉強をしています。

東海中学校の2004年の国語の入試問題に以下のような百字を超える記述問題がありますが書き方さえ理解できていれば何でもない問題です。

「読書によって得られるもの」は何か。あなたの考えを100~150字で述べなさい。

出典:2004年東海中学校国語入試問題

というのがそれです。20年も前の問題ですが読者諸賢も一緒に考えてみてください。

家庭教師時代に担当生徒のために書いたわたしの解答例を以下に記します。先に記しておきますが解答例の文字数は147字です。

読書により他の手段では簡単には手に入らない知識や知恵を得ることができる。ふたつの具体例を挙げて説明する。まず読書は時間を超越できる。読書により現代に暮らす我々でも大昔に起きた事件を知ることができる。次に読書は空間も超越できる。読書により日本に居ながらにして海外の名著に親しむことができる。

家庭教師時代の水上の解答例

わたしの解答例はいかがでしたでしょうか。今回は、このわたしの解答例を参考までに見ていきましょう。

解答例には句点が六つも打たれています。あえて句点をこまめに打って読みやすくしているのです。百字を超えてくる作文はこまめに句点を打つべきです。その理由を以下に記します。

読者諸賢は高校時代に古文を勉強したはずですね。古文の勉強が面倒な理由のひとつに一文が長過ぎる、というのがあると思います。次の文章を読んでみてください。

いづれの御時にか、女御・更衣あまた候ひ給ひける中に、いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。

出典:『源氏物語』

『源氏物語』の有名な書き出しですが何が書いてあるのか判然としません。現代に生きるわれわれにとっては、このような句点の少ない、だらだらした文章は読みづらいのです。

解答例でこまめに句点を打っている理由が納得できたでしょうか。こまめに句点を打つことで読み手に配慮しているのです。

この書き手は書き方の作法を心得ているな、と採点者に伝わるように書くのです。それはつまり、読み手にこれでもか、というくらい気を遣うことに他なりません。

この他にも色々な気の遣い方がありますが、また機会があれば記します。一番いいのは当塾の授業を実際に受けていただくことですね。ただいま新規生徒募集中です。

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