読めて、書けて、受かる中学受験専門国語塾。
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日曜日の夜、YouTubeをパソコンで視聴していたら俳優の野村宏伸氏が東京の高田馬場駅近くの商店街にある料理店で料理を振る舞っている様子が映し出されていた。野村氏はランチの時に厨房に立ち、四日市名物のトンテキを作り、客に出しているそうだ。
野村氏は現在、59歳だ。彼はかつてのいわゆるトレンディドラマで俳優として活躍していた。わたしも当時テレビを観て知っていた。彼は端正な容貌に恵まれた男前だ。
だが齢を重ねるにつれ仕事が減っていき、借金もあったので豪邸を売却して返済したという。離婚も再婚も経験しているそうだ。
往時の最高月収は六千万円というから驚く。やはり芸能の世界というのは浮世離れしている。一般のサラリーマンの年収を遥かに超える月収をもらっていれば金銭感覚は狂うだろう。知人に数千万円を貸したこともあるという。むろん、そのお金は戻ってきていない。
氏は、われわれの世代の女性のアイドルだった。華やかな世界から転げ落ち、還暦を間近にして厨房に立つイケメン俳優の心情はいかに。氏は店の厨房に立つのはむろん経営にも携わっているという。そして僅かな俳優の仕事があるときは店を閉めるそうだ。
かつての栄光から転げ落ちた人物は野村氏だけではない。人気子役としてテレビに出演して一億円稼いだ女性は長ずるにつれ仕事がなくなりホームレスになったという。彼女は毎日、公園で宿泊して蝉や草を食べて過ごしていたことを告白していた。
華やかな芸能界から追放されて実社会の厳しさのなかで女性は今も生活している。きらびやかな芸能界とは対照的な底辺で泥を啜るようにして暮らしているのだ。
彼女は実人生の辛酸を舐め、今もそのギャップに呻吟しているように見えた。芸能界に一時、身を置いていたふたりのその後を辿ると意外だった。
父はかつてわたしたちに教えて、こう言った。こつこつ稼ぐのが一番だよ、悪銭は身につかないのだよ、と。今、振り返って考えてみると父の言葉は真実だったことが判る。ついでに書くと父は芸能界を非道く嫌っている。
わたしは、そういう次第で今まで宝くじさえ一枚も購入したことがない。ギャンブルもしない。無職の頃、蒲郡市のボートレース場へ誘われたことがあるが即断った。ついでに記せば、酒も煙草も嗜まない。
日曜日の日中にヒルティの本を岩波文庫のワイド版で読んでいた。そこには金持ちになることで幸福感は得られない、と書いてあった。然り、幸福は量的なものではなく、質的なものだ。成功と幸福は同義ではない。
むろん、お金が少ないと都合が悪い面は多々ある。第一、経済的に困窮していたら他人に依存しなくてはならなくなる。わたしは他人への隷属を恐れる。したがって、お金は大事だ。わたしもお金はほしい。だが、そうであってなお、幸せはお金では買えない、ということも弁えているつもりだ。
ここで読者諸賢に言わねばならない。立派な学歴を手に入れてもそれで幸福感は得られない。それは東大生ですら認めることだと考える。おそらくわたしの想像は正解に近いことと思う。
学歴が無意味だとは述べていない。高い学齢を得てもそれで、めでたしめでたしでは終わらない、ということを述べたいのだ。昔、当ブログでも書いたが、どんなに学歴が立派でも人生は甘くないのだ。実際の人生を生きることの方が難しいのである。
わたしも、うかうかしていると還暦になるような年代に入ってきた。五十代に入って塾経営を始めたが三年目の今も経営は軌道に乗っていない、と言わねばならない。しごく楽観的な言い方をすれば経営は軌道に乗り始めている、とは言い得るとは思う。
老いの問題は芸能界に限らない。どんな職に就いている者も避けることができない大問題だ。そうであるならば、わたしも野村氏のように齢を重ねていくうちに必要とされなくなって仕事が減るのであろうか。
いな、そうならないためにも必死に努力している。そのための工夫もしている。その一つがメルマガだ。読み手がメールアドレスを登録して、わたしの書く記事を受け取れるようにした。読者諸賢にはぜひ登録してほしい。
塾経営にはボーナスはない。退職金もない。仕事は朝起きてから夜寝るまである。そうであってなお、わたしは還暦を迎えても塾の仕事に携わりたい。のみならず七十、八十になっても生涯現役で現場で子どもたちに教えたい。
結局、安穏とした生活は人間には許されていないのだ。人間の天性は働くようにできている。死ぬまでわれわれに問題課題は多くあるだろう。それゆえ、健康が許す限り働き続けるのが幸福に至る唯一の道だと考える。
人生は安逸を求めれば求めるほど幸福から遠ざかっていく。だからこそ、わたしは働き続ける。働くことは苦役ではなく、自己を保つための営みだ。残された時間を、わたしは誠実に使いたい。
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