天白区平針駅前にある中学受験国語専門塾の塾長雑感(27)

朝の六時過ぎである。何の着想もなく山下達郎の“サーカスタウン”を聴きながら見切り発車で本稿を書いている。外は晴れているが梅雨が明けるのはもう少し時日が必要なのかも知れない。もうすぐ蝉も鳴き出すだろう。夏休みも間近なのである。

塾生に聞くと、受験生は言うまでもないが小学五年生も大手塾の夏期講習に参加する、という。今年は我が塾は夏期講習は行わないが、お盆も休まず授業を行う。中学受験塾には盆も正月もないのである。

だが、バイクでツーリングに行きたいとも思う。いやいや待て待て。今の休みがない状態は感謝すべきことなのだ。もう小学校に行って校門配布を行う必要はないのだから。チラシ配布をしなくても生徒諸君はいるではないか。そしてお前の授業を待っているではないか。

現在、受験生はそれなりにいるが小学五年生以下の塾生がもう少しいていいとも思う。小学五年生はそれなりにいて有り難いが小学四年生以下の塾生がひとりもいない。低学年層も開拓していかねばならない。我が塾には受験生たる小学六年生と小学五年生しかいないのだ。塾の将来を考えると現状に感謝しつつも低学年層の新規開拓にも力を入れたい。

午前七時を過ぎたが、まだご飯が炊けていない。炊飯器のタイマーの予約機能は壊れている。十年以上使っているからむべなるかな、である。朝食までもう少し書き進めることができるだろう。今日の授業では南山中学校女子部の過去問演習とその解説をする予定だ。女子児童が来塾するがこの子は、はにかみ屋さんでもある。先月に入塾している。まだ配慮が必要だ。今日も玄関を開け放しにするべきか。

ここまで書いてきて思った。毎日、ブログの記事を執筆するのは難しい。いつも深い内容の記事が書けるわけではない。無理をすると、むしろ文章が痩せてしまう。けれども、本稿を書き進めてきて、それがリアルに判ったのは収穫である。本稿を書きながらもパソコンから流れている松田聖子の”SWEET MEMORIES”に耳を澄ます。彼女はわたしが小中学生の頃のアイドルだ。近所の友人の部屋に彼女のポスターが貼ってあったことを思い出す。

そろそろご飯は炊けたか。今朝も玄米の上に溶いた卵に醤油を混ぜてかける。その上にちりめんじゃこを載せた朝飯を食べるのだ。粗末な朝食であると我ながら思う。子どもの頃は朝はパンを食べてから学校へ行ったものだ。少年の頃のわたしは朝、眠たくて仕方なかった。皮肉にも五十五歳の中年になった今は眠りが浅く、朝早くに目覚めてしまう。

若い頃、長野県のビーナスラインに弟とツーリングに出かけたときに宿泊したホテルの朝食のことが頭をよぎった。ホテルの朝食はバイキング形式で普段、粗末な食べ物しか食べていないわたしは貪るように食べていて一緒に泊まっていた弟から軽くたしなめられた。あのホテルの朝食は旨かった。長野県は真夏でも涼しかった。そして空気も旨かった。

わたしは飛行機に乗ったことがない。海外はむろん沖縄や九州にも行ったことがない。北海道は太平洋フェリーで上陸した程度だ。会社員時代に正月休みを利用して行ってきたのだ。フェリーでは相部屋で寝た。咳をするのも憚られる距離であった。普段わたしは鼾をかくようで同じ部屋に宿泊した人に迷惑にならないか気が気ではなかった。今度、フェリーに乗る時にはお金はかかると思うが個室を使いたい。そして飛行機で国内外へ行くことは老後の愉しみにとっておきたい。

さて朝食は食べ終わったので今度は歯磨きだ。歯ブラシを新調せねばならない。交換の目安は一箇月と決めている。最近、歯ブラシをいつも買っているドラッグストアが取り壊されて更地になっていることが判った。駅近くの好立地だったので更地にして、どこかの会社が商売でも始めるのだろうか。我が塾のマンションもいつ取り壊されるかわかったものではない。

ユニットバスに取り付けてある鏡を見ると、そこには若くもなく、美男子でもない初老の中年男が映っていた。白髪はない。先般、自分で染めたからだ。若いイケメンではない男は中身で勝負するしか仕方ない。そんなこと思いつつ歯を磨いていた。傍らの浴槽には綺麗な水が張ってある。いつでも水風呂に入れるように意図的に水を満たしている。水風呂でいつでも読書できるように臨戦態勢の状態にしている。文章を読むのは国語塾の生命線なのだ。

こうして書いているわたしの文章は論理的な飛躍が多く、内容も散漫なのが弱点だ。とりわけ雑感シリーズはその弱点が露になってしまう。弱点を意識して少しでもいい文章を書いていきたい。さはさりながら毎日執筆すると内容がない痩せた文章になってしまうので、この問題を色々工夫を凝らすことにより克服したい。ヒルティは人生の目的は「幸福」ではなく「克服」である、とその著書に書いている。さあ、今日も働くぞ。

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