天白区平針駅前にある中学受験国語専門塾の塾長雑感(29)

●夏休みと塾生

今日で小学生の夏休みは終わる。塾講師として夏休みはキツかった。塾の繁忙期は夏だ。もう今日一日だけだ。あと一日だけ頑張る。そうすれば通常運転に戻る。授業が嫌だったわけではない。朝のいい時間に塾生と勉強できるのは愉しい。塾生たちは学校が愉しみだ、という。一方、この時季、学校が始まるのを嫌がって自ら命を絶つ学生もいる、という――嗚呼。

●人生の妙味
今朝は珍しくぐっすり眠れた。最近、わたしは人生の謎のひとつが納得できたつもりで、それを喜んでいいのか、悲しむべきか、複雑な気持ちでいる。もう来週で五十六歳のいいおじさんだが人生の妙味のひとつが腑に落ちたような気がして――なるほど、こういうことかと空恐ろしくもなる。これ以上は書かない。何でもかんでも書けばいいわけではない。

● 他塾との差別化
昔、ゴミ収集作業員としてこの時季も働いてきた。真夏の炎天下で激しく動くので、熱中症になる作業員もいた。けれども、われわれは愚直に働いてきた。空調の効いた教室で働けるようになったのは、つい最近のことだ。夏の暑さに虐められた者であって初めて秋の涼しさの何たるかが判る。ゴミ収集作業員から塾経営者に転身した者などそうはいないはずだ。そのことが、そのまま他塾との差別化に繋がる、と考えている。

● 一組の親子
日曜日の穏やかな昼下がり、メルカリに出品していた大きな品物を買い手が教室まで取りに来た。若い女性と小さな女の子が四階まで来た。わたしは「大丈夫ですか」と一応気遣ったが母親は子どもの顔を見て微笑んだ。そのまま品物を受け取って帰って行かれた。母親は事前に「子どもが小さいので階下まで品物を持ってきてくれませんか」と連絡してきた。やはり降りて行くべきだったか。

● 悪魔は魅力的だからこそ
悪魔というのはグロテスクな怪物ではない。むしろ聖書によれば光の天使にも化けると記されている。悪魔のやり口はいつもスマートで巧妙だ。群れから離れている者が真っ先に餌食になる。気を緩めている瞬間に見事に引っくり返される。わたしは身震いする。だが、悪魔も身震いする。それは死を賭しても神の側に就く者に、だ。悪魔は実在する――ロシアの文豪もそう告白している。

● 教会について
以前は日曜日の午前中は父が牧会する教会に通っていた。教会の雰囲気は温かかった。そして、父の説教は父から語られてみると、なるほど、そのとおりです、と納得できるものがあった。生き方そのものが説教だった。地元から名古屋に出てきて幾つもの教会に足を運んだが、どれも気に入らなかった。

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