読めて、書けて、受かる中学受験専門国語塾。
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今年、我が塾は夏期講習を行わない。その理由はただ一つ。既存の生徒の成長を最優先にするためである。春期講習も行わなかった。わたしが思うに季節講習は入塾検討段階の親子の背中を押すのに有効な手段ではある。多くの塾にとって季節講習、なかでも夏期講習は“新規獲得の最大のイベント” だ。けれども、我が塾はさような構造とは相性が悪い。
したがって、我が塾は季節講習は行わない。我が塾はその逆を行く。たしかに新規開拓を念頭に置いて考えると夏期講習は行った方がいい。けれども、我が塾は数を追わない。万人向けの塾ではないのだ。数ではなく、深さで勝負する塾でありたい。
さような構造と季節講習は、根本的に相性が悪いのだ。それゆえ今年は夏期講習を行わないのだ。そうはいうものの、すべてのやる気のある生徒諸君を応援している。門戸も依然開いている。夏も体験授業は変わらずに行っている。
今いる生徒諸君のことを考えると夏期講習で教師の負担を増やすと通授授業に悪く影響するのだ。そうであるならば新規の生徒諸君を増やすのではなく、我が塾の理念に賛同し共感してくれるご家庭の子弟を鍛える夏にしたい。
とりわけ受験生の実力を上げることに心を砕きたい。古くから「夏は受験の天王山である」と言われる。これは経験上、真実だ。夏は子どもが大きく伸びる季節であり、その伸びを支えるには塾長の体力と精神力が必要だ。
夏期講習には、カリキュラム作成、教材準備、告知、新規面談、スケジュール調整など、多くの準備が必要になる。その負担は、通常授業の質を確実に下げてしまう。そこに体力と精神力を使うわけにはいかない。その分の体力や精神力を温存して既存の塾生に熱情を注ぎたい、と考えている。
夏期講習が悪いわけではない。むしろ、かつて冷蔵庫で冷やした薬缶の麦茶を喉を鳴らして飲んでいた生徒の姿を思い出すと、あの無邪気さに心が洗われる。ただ、我が塾はワンオペである以上、無理はできないのだ。
かつて夏期講習前の骨休みにバイク・ツーリングに出かけたら体調を崩して授業ができなくなった。生徒諸君に迷惑をかけてしまったのだ。さような苦い経験があるので無理はしないのだ。
既述のとおり今年は夏期講習の代わりに夏の無料体験授業を行うつもりだ。我が塾も開業して三年目である。塾業界には「三年目の壁」というのがある。多くの塾が三年目で消えるのだ。これは塾業界では“都市伝説”ではなく、構造的に必ず起こる現象だそうだ。
理由は構造的に三つある。まず、新規の自然流入が減る。開業直後は「新しい塾ができた」と注目される。しかし三年目にはその効果が完全に消える。次に、口コミがまだ十分に広がらない。口コミは三年から五年目でようやく効き始める。最後に、塾長の精神が疲れ始める。三年目は塾長の精神が最も疲れる年といわれる。
以上のような理由で三年目は塾にとって試される年なのだ。だからこそ、我が塾は“守るべきもの”を守る夏を選んだ。多くの塾が撤退していく三年目に何の戦略もなく徒手空拳で乗り切ろうと考えるのは軽率だ。愚かですらある。繰り返すが夏期講習を行わない理由は既存の生徒諸君に集中することで効果を上げる、という狙いがある。
我が塾のこの方針にはAIの賛同も得ている。今や賢い経営戦略の智恵もAIと相談しなければ得られない。逆を言えばAIを利用すれば、相当、健闘できるのだ。
いつかの体験授業を受けられに来られた保護者の方も子どもの勉強のことをはじめ諸々を「AIと相談している」と言っておられた。そういう時代なのだ。我が塾は今後もAIという参謀とともに歩んでいきたい。そして生徒諸君とその保護者の方々に「この塾で良かった」と思ってもらえる夏にしたい。
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