受験生は満員御礼

我が塾もとうとう受験生の新規入塾を断らねばならなくなった。我が塾はわたしが独りで見ているワンオペの国語塾だ。今年度はこれ以上、受験生は見ることはできない、と判断して、つい先日、小学六年生の新規募集を停止する旨の告知をホームページ上でした。

皮肉にも告知をしたらすぐに瀬戸市に住む東海中学を目指す受験生の保護者の方から当塾に連絡があった。「訪問指導コース」を受けたい旨のメールが届いたのだ。

体験授業を飛ばして入塾したい旨のメールを頂いたわけだが、これは当塾では異例だ。普通なら問い合わせは「先ずは体験授業を受けたい」という文面になるからだ。

どういうわけか今年は例年とは異なり、春から初夏の今に至るまで問い合わせが細くも長く続いている。受験生に限ると、お陰様で満員御礼である。したがって瀬戸市に住む優秀な受験生の保護者の方からの申し出も泣く泣く断らざるを得なかった。

くだんの受験生は国語以外の科目の成績は東海中を目指すのに十分勝負になる成績だった。悪いのは国語だけだった。さような事情を知ると、ますます引き受けたい気持ちは高まった。

さはさりながら、実は最近、体験授業を受けたばかりの帰国子女の受験生がいたのだ。そして入塾に至り、今週、初めての授業をする予定だ。彼女は最後の一人だったのだ。これ以上は引き受けることはできない。理念に反するほど塾生が多くなるなら断るしかない。

そういう次第で受験生たる小学六年生の新規募集は停止して入塾をお断りしているのだ。ちなみに誤解のないように急いで申し添えるが小学五年生以下の生徒諸君は現在も募集中である。

名古屋市ではないがワンオペの個人塾で生徒を三十名近く集めている塾があることを知っている。小学生、中学生、高校生を対象に総花的に塾を営んでいるのだ。

けれども、その塾には及ばないものの生徒諸君が集まってみれば独りで見るのは限りがある、ということに嫌でも気づく。物理的な限界があるのだ。くだんの塾の塾長の並々ならぬ努力が偲ばれる。

それゆえ我が塾は今では「数」ではなく「質」を求めている。その選別のふるいになっているのが、あなたがこうして読んでいる当ブログの記事だ。当塾は万人向けの塾ではない。当ブログの記事を読んで当塾の考え方や理念に賛同してくれるご家庭の子弟が集まる塾なのである。

ここで授業料の話をしなくてはならない。実は冒頭で述べた東海中学を目指す子どもの保護者の方が希望されていた「訪問指導コース」の時給は12000円である。他のコースよりも突出して時給が高い。

当該コースは一コマ二時間なので一回の授業料は24000円になる。月に四回、受講するとなると96000円になる。これは経済的に見ると非常に魅力的だ。塾経営も楽になる。何とかならないか、とない知恵を絞って考えたが何ともならないのだ。

我が塾の授業の「質」を維持するには時間に余白が必要になる。時間に余白があるから、こうして記事も書ける。授業の準備にも十分に時間を割くこともできる。しかし、現状は休みの日にも授業の準備に一部の時間が削られている。

昨日は日曜日で安息日であったが夕食後に水風呂に入りながら教材の読み込みをしていた。安息日でありながら働く、というのはキリスト者として何とも罰当たりな行為なのだ。

モーセの十戒にも「七日は汝の神ヱホバの安息なれば何の業務をも爲べからず」と記されている。だが、日曜日にも準備をしなければ間に合わない。

昨日は自分で白髪染めもしたし、散髪にも行って来た。そのついでに過去問のコピーもした。部屋へ戻ってからは過去問をホチキスで閉じて冊子状にもした。ゆっくり休んでいられなかった。

今年は例年と比べて忙しい。けれども、それは有り難いことなのだ。こうして開業当初から文章を書いてきた甲斐があったというものだ。ようやく塾経営が軌道に乗り始めている。長い間、祈ってきた結果だ。わたしが望んでいた目標のひとつでもあった。わたしは今、塾経営者として幸せだ。

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