祈りと孤独の午後

今日の仕事に概ね片が付いた。午前中には授業があって生徒は一生懸命に過去問に取り組んでいた。合格のためにここまで頑張っているのだ。神よ、どうかご照覧あれ。この塾生も志望校へ入学できるといいのだが。

東海地区の私立中学校の国語の制限時間は五十分か六十分だ。きっちりタイマーで計って解いてもらっている。一方、関東や関西の名門校ともなると違うようだ。制限時間がもっと短い。かてて加えて実際に解いてみると判るのだが問題の難易度も高い。

本日、外へ出る用事があったのでマンションの集合ポストを覗いてみると大きい茶封筒を見つけた。用事を終えて教室の机の上で茶封筒を開封してみると関西の名門中学校の過去問だった。

昨日、フリマサイトで購入したのだが今日、届いたのだ。早速、来週の授業準備をしなくてはならない。そうでないといい授業ができない。国語の問題に制限時間は四十分と記されていた。

それにしても一日が過ぎるのが早い。塾の繁忙期の時季のひとつは夏に違いない。昔、ゴミ収集をしていた時は繁忙期は年末年始だったが職種によって繁忙期がまるで違う。去年までは夏期講習にぱらぱらと集まり、時間に余裕があった。けれども今年は忙しい。商売繁盛ということで誠に喜ばしい限りだ。そして夏期講習を実施しなくて正解だった。

授業が終わって昼食を済ませてから日中はパソコンで小テストを作っていた。塾生一人ひとりに合わせて作るので、なかなか手間暇かかるのだ。プリントアウトしてから両面コピーをする。生徒が間違えたらすぐに復習できるように工夫してあるのだ。

このコピーが辛い。四階から地上に降りて離れたドラッグストアまで歩き、五円コピー機でコピーをするのだ。マンションにエレベーターがあれば楽で便利だが生憎エレベーターはない。昇り降りだけで辛い。特に猛暑の昨今は積極的に外に出ようという気にならない。

わたしは独身だから妻に家事を任せて仕事だけに集中していればいいというお気楽な身分ではない。まあ、さような人はいないか。独身男の妄言である。とにかく家事全般をひとりでこなさなければならない。今日も日中、暑い盛りにベランダに出て洗濯物を干していた。買い物にも行って来た。

ここまで書いてきたが、やはり人工知能が評したとおり雑感には違いない。明日は二コマの授業がある。本来は三コマだが一人の生徒は夏期講習と日程が重なってしまいお休みなのだ。一日三コマ以上だとさすがに心身ともに消耗する。生徒諸君と過ごす時間は充実しているけれども。

明後日の日曜日は十分休みたい。神を想い、自分の魂を養う時間、それが安息日たる日曜日だ。何にも煩わされず平和で豊饒なひとときを望む。繁盛している塾では週休二日という塾もあるそうだ。ゆくゆくは我が塾も週休二日体制になるかも知れない。何せ塾長は初老の五十五歳なのだ。

傍で扇風機が回っている。エアコンは除湿モードだ。冷蔵庫の扉を開けて麦茶を飲む。流しで顔を洗う。初老のおじさんともなると一日で何回も顔を洗いたくなるのだ。恒常的なスキンケアが必要かも知れない。エアコンが効きすぎている所為か先程から何回もくしゃみをしている。孤独で穏やかな時間だ。誰もいない。誰も干渉しない。匿名性のゆえの孤独。それが心地いい。

明日も朝から授業である。授業準備はすでに終わっている。夕方には先月、入塾したばかりの生徒が来る。明日の予定を思って悪い気はしない。土日休みでなくてもいい。土曜日も働いて日曜日は完全にオフというのでいい。

パソコンからは山下達郎の軽快な曲が流れている。間もなくこの雑感も終わりに近づいてきた。動画サイトの広告で夏休みで給食がなくなり、ひもじい思いをしている子どもの存在を知る。日本はどうなってしまうのか。我が塾は彼ら彼女らのために何ができるのだろうか。

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