読めて、書けて、受かる中学受験専門国語塾。
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午後七時半、授業が終わった。それから夕飯も食べずにバイクに乗った。小雨が降っていた。気づけば半年以上経っていた。それでも自分の目で確認したかった。教室を発ち、赤池へと急いだ。
建物の駐輪場にバイクを停めた。暗闇の中、キイを抜いて歩いた。もうすぐ結果が判る。二月のあの努力の結果が判るのだ。
自動ドアが開く。しばらく来ていないので何処のフロアに何があるか判然としない。もうすぐだ。今に至るまで連絡が来ない、という事実がわたしの心を暗くしていた。
せめて予選は通過してほしい。一縷の望みという言葉は今のわたしに最も相応しい。わたしは壁に貼ってあるフロアマップを見てエスカレーターに乗った。
お目当ての店が見えてくる。エスカレーターに乗っているのがもどかしい。一次審査には残っていたい。そう信じたい。
冷たい現実に直面すべくわたしは店の中へと歩を進めた。結果を確かめたい。結果を知れば商品は用なしだ。何せ一二〇〇円もするのだ。
お目当てのコーナーを探すのだがなかなか見つからない。しかし、とうとう見つけた。店の一角にそのコーナーはあった。
ところが肝腎の商品がない。どうしても見つからない。悪い予感がした。誰かが言っていた。お前の努力は自己満足に過ぎぬ、と。そうかも知れぬ。そんな気もする。
店員にこれこれの商品を探している、と言ったらパソコンで調べてみます、ということで彼女はマウスをカチカチと動かしていた。
しばらく待っていると、在庫がありません、取り寄せになります、ということだったので、それならいいですと店を辞した。やはり売り切れていたのか。
わたしは建物を出てバイクに乗った。このままで済ませるわけにはいかない。今晩中に知りたい。雨脚は強くなってきている。深夜も営業しているあの店に行こう。
わたしは授業のままの服装でバイクに乗っていた。半袖のワイシャツもズボンも濡れていた。問題ではなかった。
雨の夜、わたしは日進市に向かった。夕飯なぞ問題ではなかった。わたしの努力がどこまで通用したのか。それを確かめたかった。ネットで注文すれば確実に入手できる。だが、手許に届くまで二、三日はかかるだろう。それまで待てないのだ。
途中の店で一〇パーセント引きのパックのいなり寿司を買った。駐輪場でいなりをもぐもぐ食べた。カップルが喋りながら車へ歩いていた。
雨の夜空に星はなかった。暗い所為で道に迷った。店への道が分からなくなった。まあ、いいか。どうせ予選を突破できたか否かの問題に過ぎない。
わたしはバイクを店とは反対の方向へ走らせた。流石に夜が遅い。わたしは最終選考にまで残れなかったのだ。そうであるならば後は問題ではない。
もう九月の下旬だ。一〇月号は置いていないかも知れぬ。一〇月号が欲しいのだ。わたしは雨の夜道をひた走り、教室に戻った。
できれば生徒諸君に報告したかった。東京に行く用事ができてね。この日は授業ができないのだ。まあ、文学賞の授賞式があってね。
わたしの作品が一次予選を突破できたのか否かは今になっても知れない。今朝も雨が降っている。先程、ゴミを出しに行った。人生そう上手くいってたまるものか。そう独り言ちた。
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